膠原病の全身性エリテマトーデスの漢方相談ビフォーアフターを紹介するコーナーです。
13歳 女性
2週間前から発熱、だるい、息苦しい、食欲がないなどの症状を訴えるようになり、病院の検査で心臓のまわりに水が沢山たまっていて、心臓がすごく大きくなっている事がわかり、大きな病院のICUへ急遽入院になりました。
その後、検査で膠原病の全身性エリテマトーデスと診断されて、ステロイド剤を大量に投与する治療をはじめました。
何も食べてはいけないし、何本もの点滴や管が付いていて寝返りも打てない状態の為か、だんだん元気もなくなっています。
なんとか少しでも病院の治療が順調に進み、一日でも早く退院して元の学校へ通えるように漢方薬も飲ませたい、とお母さんが相談にみえました。
病状が安定して、ICUから一般病棟に移り、食事が許可されたら、作用の優しい漢方薬を少しずつ試していただくことにしました。
漢方薬を飲むよう人なってから、とても順調に薬の副作用も出る事も無く、治療が進みました。
肝臓の数値がとても高くなることがありましたが、翌日にはすっかり元に戻り安定しています。
心臓の水がなかなか減らないので、大量のステロイド剤の点滴を3日間集中して投与する、ステロイドパルス療法も2度しました。
心配されていた不調や、興奮したりや眠れなくなる事も無く、気持ちも落ち着いていました。
治療の効果も大きかったそうで、心臓の水は徐々に減っていきました。
腎臓の組織をとる、腎生検という検査では、出血や血尿の恐れもあると聞いていたので、検査の2日前から止血作用のある漢方薬も併用しました。
すると、検査後に出血することもなく、さらに入院中ずっと続いていた微量の血尿までピタッと止まってしまいました。
お蔭様で念願の退院、学校への復帰が1ヶ月半で叶えられ、本当に嬉しいです。
本人も漢方薬を飲むことで、体力的にも精神的にも余裕を持って病院の治療に臨めたようです。
全身性エリテマトーデスは免疫が正常に働かなくなる自己免疫疾患で難病です。
免疫を整え、水の代謝を良くして、いらない湿と熱を尿から追い出す作用のある漢方薬を少しずつ試していただきました。
退院後、服用しているステロイド剤の副作用のムーンフェイス、多毛等が出始めましたが、病院の薬はしっかり続けなければなりません。
ステロイド剤の量を少しずつ減らしていけるように、少量ずつ気長に漢方薬を続け、病気を落ち着かせて行くことをおすすめしました。
退院後もしっかり早く寝て、疲労と風邪に気をつけて過ごすことも大事です。
薬剤師・国際中医専門員・不妊カウンセラー 掛上 敦子
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